REPAIR FILE #2

前回に続きリペア例、2回目です。

リペアは基本的に急を要することが多いので、過去の写真がほとんどありません。

今日は自前の楽器でジャック交換をしたので写真を撮り、内容はあっさりですが簡単にご説明させていただきたいと思います。

このギターには日頃本当にお世話になっているというか、本当に好みの音を鳴らしてくれてありがとうというか、すごい好きというか。このギターのおかげでいろいろな出会いもあったりと本当に日々感謝、今後ともよろしくお願い、という感じなんですが、それほど愛着あるギターに対し最初の登場が中身むき出しですまない、恥ずかしかったらごめん、という気分になっています。

スタジオ、ライブと外に持ち出す頻度が現在もっとも多いためそれなりにダメージも多く、ジャックが逝ってしまったため交換です。比較的修理依頼の多い部分でもあり、ジャックは弦の次くらいの消耗品のように思います。


写真はジャックのナットを取り外した状態です。テレキャスターはジャックのカップがボディ自体には固定されておらず、中に見える金属板の穴を通ったジャックと共締めで固定される仕組みです。この金属板が曲がってしまうとジャック全体がガタガタしてしまいます。今回は曲がっておらず、修正せずにすんでいます。金属板の奥に見えるキバみたいなのはスターワッシャーです。この金属板もボディに四つの角が刺さっているというか、めり込んでいるだけの固定なのでなかなか、なかなかです。しかし、ヴィンテージ仕様のテレキャスターはこれでなくてはなりません。

金属板にジャックが収まっています。


ボディ内部からジャック本体、スターワッシャー、金属板、カップ、ナットの順です。

カップをはめてナットで締めて完成です。肝心の交換したジャックの全貌が見えておりませんが、前回のリペアファイルのものと同様、switchcraft #C11 MIL spec. にしました。やはり明るくなるというか、太くなるというか、今までよりさらに弾いていて気持ちのいい音になってくれました。質量は本当に重要だと思います。パッシブのギター、ベースはさほど多いパーツ構成ではないのでひとつひとつのパーツがもつ影響力は大きいと思います。

今回使用した工具です。

はんだごては HAKKO、5年ほど 使っておりますが本当に使いやすいです。

goot のミニバイスもはんだ時にはあるととても便利です。

ワイヤーストリッパーは HOZAN、切れ味ナイス。


何かと便利なのが PB のピックツールです。4 種類ありますが、細かいところの作業、今回の場合はボディ内部からジャックを通す時に金属板の手前にスターワッシャーがあり、それが内部で倒れてるところを外からちょこっと起こしたりと、他にもとにかくいろいろな場面で活躍してくれて本当に重宝しております。ラジオペンチ、ニッパーは KNIPEX です。これも長年愛用しておりますが、KNIPEX のすごいところは使用感が変わらない、という点にあると思います。ガタもこなければ、切れ味に変化もない、さすがドイツ、という感じです。ラチェット、ボックスレンチは Snap-on です。ジャックやポットのナット関連、shaller のロックピンの増し締めに使用しておりますが、主にはバイクのバッテリー外す時とバッテリーのせる時用だったものです。

もともとついていたものです。リペア後、元のパーツを持っていたい方にはこのようなカタチでお渡ししております。


本日も最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。

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