マルチエフェクターについて
エフェクトボード組込みとは真逆の、マルチエフェクターについてです。
一般的なマルチエフェクターです。このモデルには 80種類のエフェクターが内蔵されております。丸で囲った数字のところに好きなエフェクターを割り当てていきます。最大同時使用数は 9、つまり 9 種類好きなエフェクターを選んで好きなセッティングで同時に使用することが可能、ということです。窓は 4つですが、本体下部のスクロールスイッチを踏むことで右に左にと順番にずれていきますので、それぞれの窓に割り当てたエフェクターの画面に合わせてつまみの調整、エフェクトのON / OFF が可能です。
本体左下にはチューナーの ON / OFF スイッチもあります。ON 時はデジタルの画面部分がチューナー表記になり、フロアタイプのチューナーと同等の役割を果たします。
スクロールイメージは下の図のとおりです。かなりざっくりですが、自由に行き来可能です。
マルチエフェクターは基本的にデジタル処理ですので、ペダルの使用個数選択や順番の入れ替えも画面上で自由自在に変更可能です。
ずらしていった場所で 4つ同時に画面に表示ができます。
本体右側にはエクスプレッションペダルも装備しておりますので、ワウやボリュームペダルを割り当てることが可能です。
背面です。マルチエフェクターは全て一体型ですので、ギターからマルチ、マルチからアンプを接続するシールドの 2本でセッティングは完結します。また電源は専用の AC アダプターが付属になっている場合が多いです。この部分はエフェクトボードを組む場合のジャンクションボックス、パワーサプライの機能にあたります。
また、多くのマルチエフェクターには好きなセッティングを記憶するプリセット機能がついております。そのプリセットごとにつまみの設定を変えて記憶できるので、プリセット機能付きのスイッチャー機能に加え、さらに細かな個別のエフェクターのセッティングチェンジも同時に可能です。
内部のエフェクターもパッチケーブルで組まれているわけではなく、すべて基盤です。
そのため、コンパクトで個別に揃えていくよりもはるかにお財布にやさしい仕様になっております。まさにオールインワン、ここまで読んでいただくと、なんだ圧倒的にマルチがいいじゃないか、なんだったんだ今までのは? となりそうです。
マルチエフェクターはお求め易く、たくさんの種類のエフェクターが一台に凝縮されておりますので、あのエフェクターはどんな感じなのか?を知るカタログ的にも使用できると思います。気に入った内蔵エフェクターがあればコンパクトで様々なメーカーのを探してみるというのもアリです。それぞれに同じ効果でも違いがあるためです。既存のペダルがシュミレートされたものが入っている場合もありますので、気に入ったら本物を手に入れてみる、というのも大いにアリです。昨今のマルチエフェクター内蔵のものはリアルにシュミレートされておりますが、本物と比べてみるというのもやはり違いがあって面白いためです。そして多くのシュミレートされたものの本物はアナログのはずです。さらに便利なメトロノームやリズムマシンなど練習機能が充実しているものもあって重宝するものでもあると思います。
しかし、基本デジタル処理のマルチエフェクターゆえにデジタル感は否めません。
ズ太い音にしたい、バンドの中でも抜ける音にしたい、というご相談をよくいただきます。
これは逆に言いますと、現在の音が
か細く聴こえる、バンドの中で音が埋もれてしまう、ということになると思います。
解決策、なにかありますか?というお問い合わせから、エフェクトボード組込みの構想が始まり、これまで組ませていただいてきたエフェクトボードが、この問いの答えになっています。
当然ながらどちらにもメリット、デメリットはあります。
私自身もそうでしたが、理想の機材になるまでに何年もかかるケースもあります。
理想を考えている時の楽しさ、それもエフェクターという機材の魅力のひとつだと思います。
結局、コンパクトでボード組むのが最強か...、となりそうですが実はそうとも限りません。
ボードにはどこにでも自分のある程度決まった音を持ち運べる安定感と利便性は優れます。が、もっとも図太く抜けるのは『いいアンプに直』、そしてそのアンプのもっともいいところが出る音量で演奏する、そこに必要であれば少しのエフェクターで味つけする、だと思います。それぞれがイメージする自身の中にあるいい音の理想には、あのギタリストみたいな音、あの CD で聴ける音など、印象に残る音があると思います。その理想の『音』、プロミュージシャンの基本的音色の部分には必ず、間違いなく、『いいアンプ』があります。
本日も最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。
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