スイッチャーについて 2

このサイトの検索キーワードに多い、"スイッチャー"、"プログラミングじゃないスイッチャー"、というところから今日はプログラム機能のないスイッチャーについて簡単にご説明させていただきます。以前の "スイッチャーについて" も合わせてご確認いただけますと幸いです。


以前の記事と内容がカブる部分もありますが、ここからお読みいただく方もいらっしゃると思いますので、今回だけでも伝わるように書いていきたいと思います。

スイッチャーには使用するエフェクターの好きな組み合わせのプリセットが可能なモノ (上の図)とそうではないもの (下の図)、単純に ON / OFF 操作をまとめるタイプがあります。


ざっくり見分ける場合、ルックス的に画面がついているものはプリセット可能な場合が多いです。画面がなくてもプリセット可能なモノもあります。その手のモノは同じひとつのランプでありながらそのランプがどういう機構なのか 3 種類ほどで色が変わったりするなど、ざっくり見分けるのが難しい場合があります。気になるモノのスペックは要確認です。

プログラム機能がないスイッチャーは基本ループスイッチとミュートスイッチで構成されております。スイッチャーにはかなり高い確率でチューナーアウトがついています。そこにチューナーを接続しておくとミュートスイッチを押した時に音を出さずにチューニングすることが可能です。


プログラム機能がないスイッチャーのメリットは?と問われることがあります。

色々ありますので、箇条書きで。


・音質の劣化が軽減される

= この点は前回の記事に詳しく記載しております。経由するポイントが減るため音質の劣化軽減につながります。


・操作系がまとめられる

= コンパクトなサイズにまとめたボードでも奥のペダルを踏む場合、手前にあるペダルよりは多少の困難はあります。暗いライブ会場など、普段と同じじゃない環境でのご使用時に特にトラブル防止につながります。


・ノイズ対策

= 一例として歪み系が多い場合、歪み系だけをまとめるという手です。どうしても空間系より歪み系の方がノイズがのりやすいペダルが多いので、歪みのセレクター的なイメージです。


・同系統エフェクターのセレクター

= ベースプリアンプなど、同じ役割でも演奏する曲によって数種類分けたいという場合に有効です。重ねてかける方も、単体でピックアップして使いたい方もどちらにも対応可能です。


・バイパス音にクセのあるペダルも OK

= ループ内に複数個入れて中で ON / OFF するという使用方法以外、基本スイッチャーのループ内のエフェクターは常時 ON です。エフェクター使用の ON / OFF はスイッチャー側になりますので OFF 時にはエフェクター内部を通りません。アレ通すと結局アレの音になっちゃう、というクセのあるペダルがある場合、とても有効です。エフェクト音のみを抽出します。


・ヴィンテージ エフェクターのトゥルーバイパス化

= 多くのヴィンテージ エフェクターはトゥルーバイパスではないモノです。この手のスイッチャーはトゥルーバイパスのモノが多いので、ループ内に接続することで実質トゥルーバイパス化が完了します。この辺は好き好きです。ヴィンテージエフェクターのバイパス音は味なモノが多いので。


・バイパス時にノイズの多いペダルの抑制

= 年数を重ねるとノイズ成分が増えてくるペダルに対して激しく有効です。直列ラインにあると全体にノイズがのります。ループ内に入れるのはこの場合、ちょっと隔離してノイズを避けるイメージです。


・エフェクター本体スイッチの寿命が延びる

= 本体のスイッチを操作する回数が通常よりも圧倒的に減るため、エフェクター本体の寿命が伸びます。ハイエンドなエフェクターでもハイなプライスでもスイッチ部分は保証対象外だったりしますので、大切に永く使いたいペダルがある場合、ある意味もっともおすすめの使用方法です。言い方を変えるとスイッチャーのスイッチが代わりに死んでくれる、ということにもなりますが。




など、です。

プログラム機能がないスイッチャーもアイディア次第で活躍具合は無限大な気がします。

セレクター、という捉え方を加えるとよりイメージが広がりやすいかもしれません。


本日もおつきあいいただきありがとうございました。

少しでもご参考になれば幸いです。

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