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個人的にいつも大変お世話になっておりますロックンロールバンド、THE MASTのギタリスト、会田 信也様のエフェクトボードを製作させていただきました。製作は 2017年 2月です。


エフェクターやサプライのセレクトからはじまり、ボードの構想打ち合わせ、長い期間をかけてたくさんのお時間をともに過ごさせていただいた分、製作のご依頼をいただいた時は本当に嬉しかった思い入れのあるボードです。ご提案させていただいたものはほぼ取り入れていただけたことも嬉しく、以前記事にもさせていただいた 2P-booster、ダブルで 18V 供給を採用していただけたボードでもあります。完成後のサウンドチェックはいつもよりもずっと長くなってしまうほどに気持ちのいい音色でした。本当にありがとうございます。


エフェクトボードは ARMOR PS-3C です。サイズは 255 x 455 mm、ARMOR のレギュラーラインナップ中、もっともコンパクトなサイズです。詰めれば意外に入り、厳選したペダルをある程度の余裕をもっても収めることのできるナイスなサイズです。数が増えると当然重量は出てしまいますが、徒歩移動中心の方でも比較的大丈夫だと思います。ちなみに奥行きは crybaby サイズのワウペダルもギリギリですが収まるサイズです。


信号の流れはギターから tc electronic / polytune 2 mini → xotic / Ep-booster (1) → J.ROCKETT AUDIO DESIGNS / ARCHER ikon → VEMURAM / Jan Ray → xotic / Ep-booster (2) → tc electronic / HOF MINI → アンプへという直列タイプです。


電源周りはサプライに FREE THE TONE / PT-1D、DC ケーブルで供給のペダルには FREE THE TONE / CP-416DC を使用。xotic / Ep-booster は 2 つとも 18V 供給のため One Control / RPA-1000 を使用。


製作させていただいたパッチケーブルの詳細です。直列なので極力短く製作しておりますが、ケーブルやプラグ、ペダル本体に負荷のかからない長さと取り回しになっております。今回は特に短いものが多いです。


■ tc electronic polytune2 mini / OUT : 10 cm L / L

■ xotic Ep-booster 1 / OUT : 13 cm L / L

■ J.RAD ARCHER ikon / OUT : 20 cm L / L

■ VEMURAM Jan Ray / OUT : 11 cm L / L

■ xotic Ep-booster 2 / OUT : 10 cm L / L


シールドはすべて CAJ x KLOTZ / PATCH を使用。プラグはすべて switchcraft です。ハンダは KESTER #44 で製作。


快く掲載許可をいただけました、会田様、本当にいつもありがとうございます。


メイキングの一部です。

お預かりさせていただき、固定が終わった直後の画像です。

まずはペダルのクリーニング、その後固定の安定性と踏み心地に違和感のないようにマジックテープをひとつずつ貼っていきボードに固定、ズレが起きないか壁に立てかけて様子を見ます。逆さまにしても落ちないようになっております。

より軽量にしたい場合、FREE THE TONE PT-3D の選択肢もありましたが、今回は xotic Ep-booster を 18V AC アダプターで供給したいため、パワーサプライは FREE THE TONE PT-1D です。音質面、ノイズ対策にも有効なうえに取り回し固定時にも安定感抜群のDC ケーブル、FREE THE TONE CP-416DC はタイトな組み込みにはかかせません。

INPUT となる tc electronic polytune 2 mini、OUTPUT の tc electronic HOF MINI はともに ARMOR の壁の干渉をさけるため、かさ上げしております。


このサイトは "ジャンクションボックス" 、というキーワード検索で訪れてくださる方がもっとも多いのでジャンクションボックスのメリットをひとつ補足させていただきたいと思います。


ストレートでシンプルに、という今回のような場合は上記のように組ませていただいておりますが、仮にこのボードにジャンクションボックスがあった場合、右上に設置し出入り口が一ヶ所になるというのは当然のメリットではありますが、他にもメリットがあります。特に 末尾が C 品番のARMOR の場合になりますが、ジャンクションボックスがあればペダルにはすべてプラグが入力された状態での固定になります。そのため上記写真のような設置位置でも L プラグで接続するとボードの壁の干渉がなくなりますので、かさ上げの必要がなくなります。ある程度の強度がある素材で踏み心地に違和感のないように高さをかせぎますが、ボードにベタづけの場合の踏み心地とまったく同じではない、という違いはどうしてもあります。


壁の干渉を避けるためにボード自体を上下逆さまに組む、という手もありますが開けて逆さまにするのが一手間になってしまうのはイヤだという方も多く、その場合はサプライをかさ上げしなくてはならないため AC アダプター使用の場合は AC アダプターをさした状態ではフタが閉まらなくなるので、AC アダプターが複数ある場合はあまりおすすめできません。


しかしながら、かさ上げにもメリットがないわけではありません。ギリギリのサイズで組んだ場合、隣のペダルのスイッチと干渉しにくくなる点はメリットにあたると思います。ご使用になるご本人様のお好みは千差万別です。実際にこのようになる、という想像できる範囲の可能性はメリット、デメリット含めすべて事前の打ち合わせでお話しさせていただいております。


少し長くなってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

Hell Near Effect Board Design

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